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1926年に創業後、宮崎県内の公共交通ネットワーク形成と存続に大きく貢献し続けている宮崎交通。白地に濃淡のブルーのストライプが入ったボディは明るい印象を覚えさせ、“南国のバス”という形容がしっくり来る。 マイカー普及率が全国9位と異常に高い宮崎県である。立地条件から経営環境が悪化し、一時、産業再生機構の支援を受けるなどした時期はあった。だが、県内各地を結ぶバス会社である。バスは沿線への効果的な宣伝媒体であり、宮崎交通では1ヶ月から2年という契約期間の元、ラッピングバスの運行を行っている。農業団体、行政、食品と地元密着型なフィルム広告をまとったバスが県内を走るのだが、焼酎会社も霧島酒造や雲海酒造といった大手2社に加え、正春酒造の“逢初”のラッピングを見かけたこともありましたね。 そうとはいっても、ラッピングバスのような広告というのはここ最近の動きであって、やはりバス広告というのは、ボディに掛けられた外側、後部の広告板ではないか・・・と思う。 そう思って撮影の機会を狙っていたのだが、南宮崎駅の駅前広場に1台のバスが駐まっていたので、観察してみようか。 1984年製のいすゞ製P-LR312Jの「宮崎22か 594」。 今年で26才というベテラン車両だが、宮崎交通のバスは手入れが行き届いており、1車1車が大切に乗られている。四半世紀を走り続けてきた車両であっても、ボディの痛みはほとんど無い。 (あまりバスについては詳しくないので、各部の呼称は間違っているかも知れません。ご勘弁を。) さて、画像1枚目の運転席側にはえびの市の明石酒造の“明月”の看板がある。闇夜に浮かぶ満月。かなりインパクトを覚えるデザイン。そして、背面には京屋酒造の“かね京かんろ”である。たいていの場合、この背面の看板は上記の県内大手2社の物である場合が多い。特に“霧島”は風味の一新を図ったばかりであり、芋麹製の焼酎をブレンドした証として『G Taste』ブランドを精力的に展開。バスの背面看板にもこれを見かけることが多くなってきた。そういう意味では、日南市の一銘柄の看板があるというのが非常に珍しい。 そして、乗降口側。後方側には薩摩酒造の「白波」の看板が掲げられている。これも宮崎県内では違和感を覚えるのであるが、この車両自体が宮崎市内の営業所に来る前には日向市の方で活躍していた・・・といった事にも関係しているのだろうか。 あと、見えづらいが、前方側には串間市の寿海酒造の「赤芋仕込み ひむか寿」の看板がある。赤芋ごろごろ・・・のこれもまたセンセーショナルな図案であるが、アップの画像がないので勘弁願いたい。よくよく思えば、この車両ほど多くの銘柄の看板を掲げたものを見たことがない。通常ならば、別の業種の看板と仲良く共存しているはずである。ここまで焼酎の看板に特化した物は希有だ。 酒造会社というのは地域の年中行事、食文化と直結している。酒の存在が無ければ、そう言った物が成立しない事もある。そういった意味で“土地の代弁者”である。そういった事を考えるのには、バス広告も不可欠な材料である。そんなわけで、バス1台に掲げられてた広告を眺めるのも一興。 ま、宮交のバスがこれら全ての看板を掲げている訳ではないのであるけれども。
by minaminkaze
| 2010-02-21 22:22
| 宮崎県(宮崎)の看板
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